1on1面談を意味あるものにする5つのポイント【後編】
今回は前回の続きで、1on1面談を意味のある時間にするためのポイントを2つお伝えします。
1on1面談を効果的に行うと決意しても、スキルは一朝一夕には身につきません。しかし、上手に練習すれば、驚くほど質が上がります。
ポイント4.
面談後には必ず「自己チェックシート」で振り返りを行う
面談はする方もされる方も多少の緊張感があります。そのため終わった後には開放感を感じることも多いでしょう。部下の人数が多い場合など、面談をこなすことが目的となってしまい、特に振り返りをせずに終わらせてしまうというのもよくある話です。
ですがここで、「部下の話をしっかり聞けたか?」「部下が答えやすいような質問の仕方ができたか?」「相手は納得していたか?」を振り返るだけで、面談のスキルは向上します。自分で意識したい項目に関してチェックシートを作成し、ぜひ活用しましょう。自分の強みと課題の両方を見える化することができるので、次回の面談の質を高める土台になります。
5. ロールプレイはで面談力を飛躍的に伸ばす修行を
最後のポイントは、同じような立場の方と、お互いに“上司役”と“部下役”を交代で演じるロールプレイを行うことです。普段は他人の面談を横で見る機会はほぼ無いでしょう。そのため、多くの管理職が自己流の面談を繰り返すこととなってしまうのです。だからこそ、他人の視点を取り入れることができるロールプレイは非常に大きな効果があります。
どうやって話を始めるか? どう返すか? 話す間合いは? といった会話の“つかみどころ”を実感でき、そして何より率直で具体的なフィードバックがもらえます。
(ちなみに、リアルの面談で部下が「面談についてのフィードバックを丁寧にくれる」などということは、ほぼ期待できません。面談はコミュニケーションの一方通行を避ける難しい双方向行為ですから、リハーサルの場でお互いに本音で伝え合うことが成功の秘訣となります。)
これは単なる“お遊び”ではなく、実戦に近い練習です。特に評価者研修などで実施すると、参加者から「やってよかった」と好評を得ています。面談の手応えがぐっと変わる体験になるでしょう。
最後に―1on1面談で普段の仕事もスムーズにしよう
時間がなくても、面倒に思っても、1on1面談にはやはり良い効果があります。前回と今回の2回のコラムでお伝えした、①適切なゴール設定、②話しを引き出す沈黙、③約束の確認、④振り返り、⑤ロールプレイという強力な練習法をプラスすれば、その効果は倍増します。
面談は単なる義務ではなく、組織をしなやかにし、部下の成長を促進する最高のツールです。ぜひこのスキルを身につけて、次の面談を楽しんでください。

